top:「叱る」ということ(1)自分と相手を大切にするためのルールを教える
「叱る」ということ(1)
「こどもをしっかり、しつけようとすると、毎日叱ってばかりになる」と悩む人は多いことでしょう。「叱る」ことなく、よい「しつけ」をすることはできないのでしょうか。そもそも「しつけ」をする際には「叱る」ことが必要か考えてみましょう。
自分と相手を大切にするためのルールを教える
叱るということは、「相手(こども)に自分の言うことを聞かせること」と考える人がいるかもしれません。確かに、ニュアンスとしてはそのような定義ができるでしょう。
しかし、反面、叱るということは絶対的に自分の意見を強制する必要があるときに行うべき行為だといえるでしょう。では、「絶対的に自分の意見を強制する必要があること」とは何でしょうか?場面によって叱る内容は異なることでしょうが、幼いお子さんとのコミュニケーションで叱る必要があることといえば、「生命の大切さ」についてでしょう。お子さん自身がよりよく生きていくこと、さらには、自分と同じように、他の人を大切にできるようにルールを教えるということです。
生命の大切さというとぼやけた感じがしますが、具体的に言うと、危険なことはしない、自分の身を大切にするということです。そして、それは自分ばかりではなく、他者に対しても同じように考えるということなのです。
何でもかんでもしつけだからといって、叱りつければいいというわけではありません。叱れば一時的にお子さんは言うことを聞くでしょうが、そのしつけは本当に重要なものでしょうか。叱って言うことを聞かせることには数に限界があるので、1000でも2000でも叱りつければ言うことを聞いて、しつけができた人間に育つわけではありません。その叱りつけたことの一部しか定着しないのです。定着させるためには叱る内容を厳選してしつける必要があるでしょう。
教えたいこと、しつけたいことがたくさんあるのであれば、「叱る」のではなく、指導を繰り返し行うことでお子さんは理解を深め、定着していくことになるでしょう。